
ビジネスマンの必需品の1つである「ワイシャツ」は、襟(えり)の形・デザインによって、いくつかの種類に分類することができます。
その中で、ビジネススタイルのカジュアル化や、クールビズスタイルの普及で一気に広まったのが「ボタンダウンシャツ」と呼ばれるワイシャツです。
襟(えり)の先をボタンで留めているシャツを、皆さんもご覧になったことがあるのではないでしょうか。
この記事では、紳士服販売の経験がある編集部・大山が、ボタンダウンシャツの特徴や着用マナーについて解説していきます。
「仕事でボタンダウンシャツは着ていいの?」
「クールビズ以外でも着たいんだけど……?」
「ボタンダウンシャツのメリットって何?」
これらの疑問・悩みをお持ちの皆さんのお手伝いができれば幸いです。
日本製ボタンダウンシャツ

ボタンダウンシャツとは…?
まず初めに、ボタンダウンシャツの基本から確認していきましょう。
襟(えり)の先をボタンで留めたシャツのこと
ボタンダウンシャツとは、襟(えり)の先をボタンで留めているシャツのこと。
厳密には「ボタンダウンカラー・シャツ」と呼びます。
ちょっと紛らわしいのですが、ここで言う「カラー」は、色[英語:color]ではなく、えり[英語:collar]を意味する言葉。
襟(えり)の先をボタンで留めているため、第一ボタン解放&ノーネクタイで着用しても、襟(えり)立ちがよく、立体的なロールをキープしやすい特徴があります。
ポロ競技のユニフォームに着想を得て開発された
「襟(えり)の先をボタンで留める」というボタンダウンシャツの特徴は、馬に乗って行う団体球技・ポロのユニフォームに由来しています。
ボタンダウンシャツは1869年に、世界最古の紳士服ブランドである『Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)』によって販売されました。
開発者はブランド創始者の孫・ジョン=E=ブルックス。
イングランドでのポロ観戦中、ユニフォームのえりが風になびいてヒラヒラしないようボタンで留められているのを見て、シャツに採り入れることを閃いたそうです。
発売以降、ボタンダウンシャツは「ファッション史上、最も模倣されたアイテム」と言われ、いわゆるアメリカン・クラシックのスタンダードとして定着しています。
ボタンダウンシャツの「着用OKシーン」と「着用NGシーン」
ここからは、ボタンダウンシャツの着用マナーについて解説していきます。
現在、ボタンダウンシャツは他の襟(えり)型のシャツと比べると、比較的カジュアルな印象を与えるとされています。
そのため、ビジネスシャツの定番として着られているものの、「こういうシーンでは、ボタンダウンシャツを着ないほうがいいかも・・・」というシチュエーションがあるんです。
各シーン別に解説していきますが、まずは“ざっくり確認できる一覧表”を用意してみました。是非、ご活用くださいませ!

【着用OK】一般的なビジネスシーンやクールビズ
基本的にボタンダウンシャツは、ネクタイを結ぶ・結ばないに関わらず、ビジネスシーンでの着用が認められています。
特に、ノーネクタイの着こなしが推奨されるクールビズなどは、おすすめの1枚として紹介されることも少なくありません。
ただし、弁護士や税理士を職業にしている人は、もしかすると職場ルールとしてNGの場合もあるので、確認は欠かさないようにしてくださいね。
同席する相手やシチュエーションに応じて着分けよう
基本的に、ビジネスシーンでボタンダウンシャツを着ても問題はありません・・・が、やはり由緒正しい伝統的なフォーマルスタイルでもありません。
あくまでも市民権を得てきただけで、本来はカジュアルシャツなのです。
そのため、
- マナーや身だしなみに、とても気を使っている人
- 年配の方(ボタンダウン=カジュアルと言われてきた期間が長い)
といったビジネスパートナーと同席する場合は、どうしても悪印象を持たれてしまう可能性があります。
また、重要な会議や商談の際に、ボタンダウンシャツ1枚が原因で「なんて常識のない人なんだ…ッ!」と誤解を受けるのは、お互いにとって損です。
ビジネスファッションの根っこにあるのは、「相手のことを考えた身だしなみ」。
相手やシチュエーションに応じて、うまく着分けていきましょう。
そういった意味では「初顔合わせとなる商談・会議」にボタンダウンシャツを着ていくのは、少々リスキーといえますね。
【着用NG】冠婚葬祭などのフォーマルシーン
いわゆる「正装」が求められる、冠婚葬祭の場にボタンダウンシャツを着ていくのはNGです。
【着用OK】結婚式の二次会(パーティ)
冠婚葬祭でのボタンダウンシャツは、基本的にNG。
ただし、結婚式の二次会(パーティ)などの、ちょっとカジュアルなパーティシーンでは、ボタンダウンシャツはオススメのアイテムです。
「しっかりした格好だけど、適度に肩の力を抜きたい」というシチュエーションに、ボタンダウンシャツがピッタリだからです。
覚えておきたいボタンダウンシャツの正しい着用マナー
ボタンダウンの着用シーンを抑えたあとは、実際にボタンダウンシャツを着たときに気を付けたいポイントを解説していきます。
襟(えり)先のボタンは絶対に留める
ボタンダウンの“アイデンティティ”である、襟先のボタン。
シャツを着用する際には、この襟(えり)先のボタンを、必ず留めるようにしましょう。
ちなみに、洗濯するときはボタンの縫い目やボタンホールに負担をかけないように、えりの先のボタンを外すのがオススメですよ。
ネクタイは結んでOK!! 結ばなくてもOK!!
基になったポロ競技のユニフォームはネクタイを結ばないため、「ボタンダウンシャツ=ノーネクタイ」とされる時代もあったそうです。
ただ、今は他のビジネスシャツと同じようにネクタイ有/無どちらのスタイルでも、ファッションとして楽しまれていますよ。
ノーネクタイ時は第一ボタンを外そう
ノーネクタイでボタンダウンシャツを着用する場合、開けるボタンは第一ボタンまで。それ以上はカジュアルが過ぎてしまいます。
また、第一ボタンを外した着こなしで、首元からインナーが見えてしまうのはビジネスマナーとしてNG。Vネックや深いUネックのインナーを選んで、首元からはみ出てしまわないようにしましょう。
ネクタイを結ぶときはプレーンノットやダブルノットがオススメ
えりの開きが狭いタイプ(70~90°)であるボタンダウンは、「セミウィンザーノット」や「ダブルノット」との相性がいいとされています。

おすすめのボタンダウンシャツ
ここからは、おすすめのボタンダウンシャツを紹介していきます。
オリンピックの競技ウェアと同じ「最高に動きやすい服の技術」を採り入れた日本製シャツ|INDUSTYLE TOKYO
インダスタイルトウキョウのワイシャツの特徴は、1枚ずつ職人が縫い上げることによる丁寧な縫製と、採用されている「動体裁断®」。
動体裁断とは、オリンピック選手の競技ウェアに採用されている「身体の動きを妨げないスペシャル設計」のことで、“何も着ていないような気がするほど”の軽やかな着心地に仕上がる特徴があります。
自社工場のミシン職人によって、1枚ずつ縫い上げるスタイルも相まって、非常に満足度の高いクオリティに仕上がっています。
▼動体裁断®シャツに寄せられた声
試しに1枚だけ買ってみたら、もう他のシャツが着られなくなりました
5.0
この着心地を知ってしまうと、他のシャツが窮屈に感じてしまうぐらいで、
シーズンに1着は買ってしまってます。引用元:公式通販サイト
ビジネスに人気の“ちょい柄”ヘリンボーン
ちょっと柄があるだけで、奥行き感が出てこなれ感も◎。それでいて、スーツやネクタイの柄とケンカしないので、一枚あると便利な柄です。
こちらはひとつ上でも紹介した日本ブランド『インダスタイルトウキョウ』の1品。
ワイシャツで唯一「動体裁断」という特許技術を搭載し、ビジネスパフォーマンスを上げてくれる着心地に仕上がっています。
リピーター人気No.1 のロンドンストライプ・ボタンダウンシャツ|INDUSTYLE TOKYO
柄はカッチリしたロンドンストライプですが、“ふわっ”とソフトな肌ざわりに編みあがっている不思議なニット生地から仕立てられた日本製ボタンダウンシャツです。
全10色のカラーラインナップが用意されていることもあって、動体裁断®シャツの良さが“しっくり”きた人の2枚目として一番おすすめ。勿論、最初からこの1枚を購入する人もいます。
吸水速乾のCOOLMAX®生地なので、汗冷えしにくいのも地味ながら非常に助かるポイントと言えます。
秋冬シーズンは、ネイビーやグレージャケットのアクセントとしてピッタリな『ボルドーストライプ』や『ブルーグレー』が特に人気です。
▼動体裁断®シャツに寄せられた声
ふんわり体を包み込むような優しさ
5.0
動いても、必ずシャツの方から、体に寄り添ってくるよな動きをしてくれます。歴代007も、この快適さを知っていたら、
ショーン・コネリーも、ダニエル・グレイグも、
御社のシャツを注文していたことでしょう!引用元:公式通販サイト
あとがき
以上、ボタンダウンシャツの基本と着用のOK・NGなどをご紹介しました。
ちょっとシャツのことを調べると「……あれ? 仕事に着てっていいんだよね?」と不安になってしまうこともあるボタンダウンシャツ。
いくつか気を付けた方がいいシーンはありますが、基本的に着用OKなので、どうぞ安心してご着用くださいませ。