
東日本で生まれ育った方だと馴染みが無い言葉の1つに「カッターシャツ」というものがあります。
皆さんはどうですか? カッターシャツ。ご存知ですか?ちなみに私は社会人になって数年後に初めて耳にしました。
「カッターシャツ」とは、主に西日本で使用される言葉の1つで、いわゆる“ワイシャツの別名”。現在は、ほとんど同じ物を指す言葉として定着しています。

今回は、そんなカッターシャツという言葉と一緒に「ワイシャツ」という言葉の起源を解説していこうと思います。
「カッターシャツとワイシャツの違いって何?」
「おすすめのカッターシャツとかあるの?」
ちょっとした知見や教養を積み上げる場として楽しんでいただければ幸いです。
日本製シャツブランド

カッターシャツとは?
東日本生まれの人は「カッターシャツ」という言葉に驚き、西日本生まれの人は「全国共通でないこと」に驚く。そんなカッターシャツについて詳しく解説していきます。
カッターシャツは西日本におけるワイシャツの別名
「カッターシャツ」とは、西日本を中心に使われるワイシャツを指す言葉です。
元々は、スポーツメーカー美津濃(現・ミズノ)が1918年に発売したシャツの商品名で、それがワイシャツを指す一般名詞として浸透しました。
「勝った」という言葉をもじって「カッターシャツ」
カッターシャツの「カッター」は、「勝った」をもじったもので、美津濃の創設者・水野利八氏がつくった造語です。
ミズノ公式トリビアページによると、水野利八氏が大好きな野球の試合を観た後に「勝った!勝った!」と喜ぶ観客の姿を見て閃いたのだとか。
「カッター(勝った)」というワードは文字通り縁起良し!ということで受け入れられ、当時の学生たちの間で評判になったと言われています。
この学生たちの間で評判になったことが影響してか、
- 学生用シャツ=カッターシャツ
- 社会人用シャツ=ワイシャツ
と細かく呼び分けるケースもあるそうです。
ビジネス&スポーツで着用できるシャツとして販売された
上の写真だとギリギリ読めるキャッチコピーに「ハイキング用」「テニス用」「事務用」とあることから、元々のカッターシャツはビジネスだけでなくスポーツでも着用できる1枚として販売されていたことが分かりますね。
ここで「テニスで、どうしてワイシャツ?」と思われるかもしれませんが、実はテニスは元々、襟付き&長袖のシャツを基本ユニフォームとしていた歴史があります。
ちなみに少し話がズレますが、“ワイシャツを着てテニスをするという窮屈さ”から解放されるための発明が、皆さんもご存知ポロシャツだったりします。
「ワイシャツ」の由来はYシャツではない
カッターシャツ=ワイシャツということが分かった所で、次は、ワイシャツの名前についても解説していきます。
ワイシャツの由来は、White Shirt(ホワイトシャツ)のネイティヴ発音
さて、ワイシャツという名前の由来、ご存知ですか?
ワイシャツという名前の由来は諸説あり、ホワイトシャツ(white shirt)のネイティブ発音がワイシャツに近いことから、ワイシャツとして定着したという説が主流だと言われています。
他にはTシャツのネーミングに近い理屈で、襟の部分がYの字に見えることからワイシャツと呼ばれるようになったという説もありますが、あまり有力な説ではないようですね。

最高のカッターシャツ(ワイシャツ)を選ぶための3ポイント
カッターシャツ(ワイシャツ)を選ぶ際に気を付けたいポイントは
- サイズ(特に首回りと裄丈)
- 襟(えり)型
- 手入れのラクさに通ずる生地素材
以上3つです。
1つずつ解説していきますね。
首回りと裄丈(ゆきたけ)をベースにした、正しいサイズ選び
カッターシャツ(ワイシャツ)選ぶ際は、自分の身体に合うサイズを探しましょう。
特に、首回りと裄丈(ゆきたけ)の2ケ所を基準にすると、丁度いいサイズが見つけやすい筈です。
着用シーンに合わせた、襟(えり)型選び
基本のビジネススタイルにピッタリな、セミワイド(ワイド)
襟(えり)が100~120°開いているタイプを、セミワイド(ワイド)と呼びます。
ネクタイを結んだスタイルとも相性が良く、実は数ある襟型の中で最もクラシックだったりします。
クールビズなどのノーネクタイと相性◎な、ホリゾンタル
襟が約180°開いているタイプを、ホリゾンタルと呼びます。ブランドや店舗によっては「カッタウェイ」と呼ぶこともありますが、同じ種類の襟を指しています。
第一ボタンを外した時の首元が、サッパリして見えるため、ノーネクタイでも清潔感&キチッと感があるスタイルに仕上がります。
ビジネスからカジュアルまで活躍する、ボタンダウン
襟(えり)の先をボタンで留めているタイプを、ボタンダウンと呼びます。
ビジネスシーンでも着用できるシャツではありますが、本来はカジュアルに分類されるため、冠婚葬祭などのフォーマルな席での着用はNG。
襟の開きが大体90~100°と狭いため、ネクタイを結ぶときは、ダブルノットなど結び目が細長くなる結び方がオススメです。
楽してお洒落(きっちりさ)を保つ、イージーケアな素材選び
カッターシャツ(ワイシャツ)は、ホワイトかサックス、ネイビーあたりを選ぶのが無難ですが、より「クオリティの高さ」にこだわるのであれば、カッターシャツの生地素材にも注目しましょう。
お洒落なカッターシャツを目指すのであれば、汚れやシワは大敵。。。とはいっても、実際洗濯後のアイロンがけなどは、なかなかストレスです。
そんなときは「形態安定シャツ」や「ニットシャツ」といったイージーケアなカッターシャツを選ぶことで、楽をしてしまいましょう。
あとがき
以上、カッターシャツとワイシャツの由来から、おすすめの1枚の選び方、おすすめブランドまでを紹介・解説しました。
参考になりましたでしょうか。
カッターシャツとワイシャツの話は、ちょっとした席での話のネタにもなると思いますので、良きタイミングがあれば是非ご活用くださいませ。
編集部の玄木がお送りしました。
ではでは。