ワイシャツのアイロンがけ、ホンット面倒くさいですよね。本当にやりたくない!
面倒くさいだけなら、まだいいです。
アイロンかけても、満足できるほどシワが消えないときが、キツいのなんの。
「まぁ、こんなもんでしょ……」と自分自身に言い聞かせながら、ため息の1つや2つ、つきたくなるものです。
ただ、既に皆さんお気づきのように、昨今のワイシャツは色々と進化しております。
ノーアイロンシャツ。
形態安定加工シャツ。
イージーケアシャツ。
色々あります。
今回の生地では、ノーアイロンシャツを主軸に、“シワになりにくいorシワが残りにくいワイシャツ”の基本知識を紹介・解説していきます。
「ワイシャツのアイロン……もう、嫌……」
「ノーアイロンシャツにも色々あって、よくわからない」
「少しでもシワにならない洗濯方法とかあるの?」
そんな疑問や苦しみ・哀しみを抱えている方のお手伝いができれば幸いです。
では、早速いきましょう。
ノーアイロンシャツとは?
まず初めに、ノーアイロンシャツの基礎知識についておさえていきましょう。
“加工”や“生地の特徴”で、シワが残りにくいシャツのこと
「ノーアイロンシャツ」とは、読んで字のごとく、アイロンがけ不要のシャツのことです。
ご存知のように、一般的なシャツ(綿100%)を洗濯機で水洗いしてから干すと、それはもう見るも無残な、シワだらけの姿になってしまいます。
ノーアイロンシャツは、特殊な加工や生地の構造によって「形態安定性」が与えられているため、洗濯機にかけたあとでも、シワにならない(シワが残りにくい)のですね。
シワの残りにくさは、W&W性という指標で表される
実はノーアイロンシャツには(厳密には、形態安定加工シャツには)、そのシワになりにくさを数値で示すJIS規格が存在します。
W&W性(ウォッシュ・アンド・ウェア)がそれ。
1.0級から5.0級までの数値で、シワになりにくさを表してくれます。
W&W性(級数) | 級数の特徴やノーアイロン具合 |
---|---|
5.0級 | 洗濯後にシワが残らない、完全ノーアイロン。 |
4.0級 | シワの約90%をカットする、高レベルの形態安定加工シャツ。 |
3.2級 | シワの約50%をカットするシャツ。この級数以上が形態安定加工と名乗っていいことになっている。 |
2.0前後 | 欲を言えば、軽くアイロンにかけたい程度のシワカット具合。いわゆるイージーケアはこのレベル。 |
1.0級 | 形態安定加工を施していない綿100%を洗って干したときのシワ具合。 |
ノーアイロンシャツの選び方
もし商品ページにW&W性の表記があるのであれば、迷わず参考にしましょう。
ただ、全てのブランドがW&W性を公開しているわけではありません。あくまでも目安の1つです。
そのため、この後解説する、素材などのことも頭に入れておくと、選ぶときにスムーズですよ。
生地の素材(組成)に注目する
W&W性は確かに明確な目安になりますが、全てのブランドがW&W性を表記しているわけではありません(そもそもコストの関係で、試験ができない場合も)。そんなときに備えて、ざっくりと意識したいのが素材(組成)の違い。
最近は、形態安定加工の技術が向上したため、素材とシワのなりやすさが一致しないこともあるのですが、1つの目安としてチェックしてみてくださいね。

肌触りは最高だけど、シワが気になる綿100%
シャツといえば、天然素材である綿100%というイメージは強いですよね。
肌ざわりがいいけれど、シワは避けられない。
それが綿100%シャツの定め。
最近は、綿に少しだけポリエステルを混紡したり、特殊な形態安定加工を施すことで、綿の割合が多いままシワになりにくいよう仕上げられたシャツも増えてきました。
防シワ性や速乾性は優秀なポリエステル
吸水速乾性や防シワ性など、あの細い体積に様々な機能を搭載しているのが、ポリエステルを始めとした化学繊維素材です。
生地の見た目がスポーティ(学校の体育ジャージみたいな)になってしまいがちな点に目をつむれば、非常に優秀な素材ではあります。
ブランドの個性や思想が出る綿ポリシャツ
綿の特徴とポリエステルの特徴を併せ持った、ハイブリッド素材です。
最近は生地生産の技術が向上した背景もあって、さまざまなブランドで採用されるようになりました。
非常に優秀な素材ではありますが、綿とポリエステルの耐久度に差がある関係上、他の素材と比べると毛玉ができやすいというデメリットもあります(片方の素材だけが、すり減って塊になってしまう)。
布帛とニットの違いに注目する
生地の素材(組成)とは別に、生地が布帛生地なのか・ニット生地なのかも、シワの残り具合に結構影響してきます。
写真左(←)がニット生地で、写真右(→)が一般的な布帛(ふはく)生地です。どちらも一長一短の特徴があります。
それぞれの特徴を解説していきます。
ツヤとハリに優れる、一般的な「布帛シャツ」
一般的なワイシャツは基本的に、織り生地である布帛(ふはく)生地で仕立てられています。
特徴としてはツヤとハリに優れるため、非常にフォーマルな生地の表情になります。
一方で、生地が緻密に織り込まれているため、シワになりやすいというデメリットも。。。
伸縮性や防シワ性に優れる、ニットシャツ
最近増えてきたニットシャツ。ニットとは編み物のことで、セーターやマフラーの記事を凄く緻密にしたものです。
非常に伸縮性(ストレッチ性)や通気性、防シワ性に優れるメリットがあります。
その一方で、生地のフォーマルさ。ツヤやハリ感は、やはり布帛(ふはく)生地には及びません。
でも、これでも進歩してきたのです。一昔前はとてもビジネスで着用できるような生地感ではありませんでした。技術の進歩って凄いですよね。
汚れの落ちやすさもチェック!
真っ白なワイシャツに一滴の醤油。シワよりも断然ストレスです。
どれだけ行儀良く、礼儀正しく食事をしても、そんなことお構いなしに醤油は懐に飛び込んできます。
どれだけデキるビジネスマンであっても、醤油の前では無力。
そんなワケで、我々にできることといえば「汚れが落ちやすいワイシャツ」を選ぶことです。
購入前に口コミなどを参考にしてみてくださいね。
ポリエステル100%は汚れが落ちにくいと言われているので、ポリ100を選ぶ場合は、クリーニングを使う前提か、消耗品として割り切るかのどちらかが良さそうです。
少しでもシワを減らす洗濯術
ノーアイロンシャツの特徴を紹介したところで、一般的なシャツにも通用する「少しでもシワを減らすための洗濯術」をご紹介します。
ここでは4つ紹介しますが、これらを全部やるとなると「……あれ? 何かアイロンかけたほうがストレス値、低くない?」となりますので、できそうなものだけピックアップするようにしてくださいね。
折りたたんで、洗濯ネットに入れる
どんなに面倒臭くても、シワが大きく減らせる方法がコレです。
洗濯する前から、グジャグジャにしないようにしましょう。
脱水し過ぎない(10~30秒脱水で止める)
1つ前の方法とは逆に、一番面倒臭いのですが、効果は大きいのがコチラ。
ビチャビチャなまま取り出すのではなく、目安としては、水は滴らないけれど強く絞れば水がでるぐらいです。
ハンガーにかける直前に、両肩をつまんで振る
ハンガーにかける直前に、両肩をつまんで大きくシャツを振ります。
生地が本格的に乾燥に入る前に、できるだけ生地のシワを伸ばすことで、乾いた後までシワが残りにくくなります。
ちなみに、ニットシャツにはやらないでおきましょう。つまんだ肩部分に負荷がかかって、型崩れしやすくなってしまいます。脱水したニットシャツは脱水したら、何もせずハンガーにかけましょう。余裕があるときは袖が伸びないように、袖先を肩にかけておくとベストです。
脱水後、放置しない
洗濯が終わったら直ぐに干しましょう。「5分後でも、そんなに変わらないだろう……」と考えるのは駄目です。
どうせいつか干さなければならないのです。シワが定着する前に、ササッと干してしまいましょう。
あとがき
以上、ノーアイロンシャツを主軸に、“シワになりにくいorシワが残りにくいシャツ”の基本知識を解説してきました。
参考になりましたでしょうか?
昨今は、洗濯術のノウハウが溜まる以上に、ワイシャツ自体が進化し、シワになりにくいものが登場しています。
ノーアイロンシャツなどを上手く利用して、日々の要らぬストレスを軽減!
より快適なシャツライフを楽しんでいただければ幸いです。
編集部の玄木でした。
ではでは。