革のダイヤモンドとも呼ばれるコードバン。
革好きなら一度は手に持ちたくなる素材として知られています。
キリっとした輝きが魅力的で、光を美しく反射するその革を見ているだけで私も思わずうっとりしてしまいます。
しかし、コードバンはその希少さゆえに、知られていない特徴も多い素材。
お財布として持っているだけでは、もったいない素材なんです。
ただ格好いいだけじゃない、知れば知るほど奥が深いコードバンの魅力を伝えたい!
この度はそんな思いでこの記事を書いています。
そこでこの記事では、
コードバンってどうして高級なの?
価格と品質のコスパが良いコードバン二つ折り財布を知りたい!
コードバンの素材や質感の良い財布を選びたい!
こういったお悩みやご要望にお答えします。
コードバンの魅力とは?
高価な素材である理由
コードバン二つ折り財布の価格帯の平均は5万円程度。一般的なお財布に比べると少し高級になっています。では、なぜコードバン財布は高価なのでしょうか。その秘密はコードバンという素材の希少性と加工にかかる手間にあります。
素材の希少性について、コードバンはそもそも何の革であるかというと、農耕馬のお尻の部分の革なんです。しかも、普通の革製品に用いられるような皮膚の表面部分ではなく、馬のお尻の表皮を少しずつ削ったのちに現れる「コードバン層」という、厚さ2mmほどの繊維質部分だけを使っているのです。このコードバン層は、天敵の野生動物などに背後から嚙みつかれたときに致命傷を負わないように、農耕馬が発達させたコラーゲンの層であり、競走馬などからは製品化するのに十分な量は採れません。このように、コードバンは希少な部位であるということがわかります。
加えて、コードバンの美しさは、加工に時間をかけないと生み出すことができません。革をなめし、コードバン層を削り出し、染色する。それらすべての作業を終えるのに、半年以上もの時間がかかってしまいます。コードバンの輝きは職人が手間暇かけてつくりあげているんですね。
以上のように、コードバンという素材は希少であり、加工にかなりの時間がかかるために、コードバンを用いたお財布は高級になっているのです。
コードバンがほかの素材より優れている点
コードバンの最も大きな特徴は、その光沢です。光を反射して輝く姿は、まさしく革のダイヤモンドと呼ばれるに相応しい。そんな気品にあふれた表情を楽しめるのは、コードバン製品を買った人の特権でしょう。
さらに、コードバンは堅牢な素材でもあります。コードバンの耐久度は牛革と比べて3倍とも言われています。現代では、高価な素材ゆえに使う人が少なくりましたが、小学生が6年間使うランドセルにも用いられることがあり、コードバンを使用したランドセルは耐久性が高く美しい光沢感がある高級ランドセルとして知られています。
コードバンを比較するなら、染めの種類にも注目!
ひとまとめにコードバンといっても、その仕上げ方によっていくつか種類があり、見た目の表情が変わるのをご存知でしょうか。ここでは、代表的なコードバンの仕上げ方を3種類取り上げ、その特徴を解説します。
世界的に主流「オイル仕上げコードバン」
革の内部に油分を多く含むように仕上げたコードバンです。
見た目にもオイリーな光沢があり、使っていくうちにエイジングを楽しむことができます。
世界的に主流なコードバンの種類です。
サラッとした素材感を楽しむ「水染めコードバン」
水染めのコードバンは、必要最低限の油脂成分を革の内部に浸透させたのち、水性染料のみを使用して革の表面のみを染色したものを指します。革に直接染付を行うので、表面は天然素材の風合いがあります。素材感はオイル仕上げよりもサラッとしています。
(「水染め」は、「アニリン仕上げ」などとも呼ばれます)
水や傷に強い「顔料仕上げコードバン」
顔料仕上げのコードバンは、世界的にみると珍しい手法で、日本国内で開発された加工法といわれています。顔料仕上げでは革の表面に顔料を載せているため、エイジングや素材感が薄れてしまいます。その一方で、「水に弱い」や「傷がつきやすい」といった、手入れが難しいといわれるコードバン製品の特徴をいくらか補う加工法になっています。
コードバンを育てるうえで
コードバンは非常に美しい革ですが、「水に弱い」という点と「傷がつきやすい」という特徴を持っているため、手入れが難しいといわれています。そして、顔料染めは水や傷に比較的強いが、オイル仕上げや水染めのコードバンは水や傷に弱いといったように、仕上げ方の違いによって傷のつきやすさも変わってきます。
ただ、傷がついてもそこまで心配する必要はありません。
たとえ傷がついても経年変化とともに光沢が増し、目立たなくなったり、お手入れをすることによって美しい状態に戻ったりします。
残った跡も、長い時間を共に過ごした自分だけのものとして、より愛着がわくものです。
世界に一つだけ、自分だけのお財布を持つ。これこそ、コードバンを育てる究極の魅力であるといえます。
コードバン製品を買った人の声
それでは、実際にコードバン製品を買った人のレビューをここで紹介します。
最高の財布と出逢った
5.0
使いはじめて一ヶ月ぐらいでしょうか。 今までいろんな財布を使ってきましたが 財布にわくわくしたり 「凄い!!」 と思った事はありませんでした。 この財布は「凄い!!!」その一言に尽きます。 造りが素晴らしいのと コードバンの皮質を熟知しているというか 究極レベルの代物だと思います。 なんだか自分が男前になった気がします!! お金を払うのが楽しみなくらいです。引用元:楽天市場
一生大事にする。
5.0
やっぱりコードバンは光沢感が他の革とは全く違う! 色も渋くて緑にして良かったです! カード入れの部分はきついですが、慣れてきたら良い感じになりそうです!コンパクトなのにお札も小銭も入るのでとっても便利です。 一生大事にしたいと思います。 買って良かった一品。引用元:楽天市場
実際のレビューでも、コードバンの光沢や、その手触りに高い評価が寄せられているようです。
コードバンを育てるうえでの変化を楽しみにしている人も多いみたいですね。
価格帯別ブランド商品紹介
それでは、ついに、実際のコードバン財布を見ていきましょう!!
気になるコードバン二つ折り財布の相場は約5万円ほど。
ここでは、ボリュームゾーンである3~6万円を基準に、おすすめの商品を価格帯別でご紹介します。
※各商品の価格は、2023年6月時点でのものになります。
【3~6万円】コードバン二つ折り財布のボリュームゾーン
皇室御用達ブランドの当主が、コバの色彩にまでこだわった逸品|Bespoke den HAMANO
44,000円
『傳濱野(でんはまの)』は、ロイヤルファミリー3代からご用命を受けた濱野家による、日本のブランドです。
そんな傳濱野現当主が「本当に手にしたいもの」を生み出すためにメンズ用に立ち上げたブランドが「Bespoke den HAMANO」。
濱野家の歴史を大切にしながらも、時代に合った新しいものを生み出す当主の姿勢が、お財布にも表れています。
コードバンは傷や水に強い顔料染めを使用しています。
お財布の“コバ”部分にもこだわって、コードバンのクラシックな風合いにモダンな色彩を加えています。
良い素材を使うだけでは飽き足らない、皇室御用達ブランド当主のさりげないこだわりを楽しむことができるお財布です。
シンプルで丁寧な作り。財布のプレミアム・スタンダードをお探しならこちら|土屋鞄製造所
51,700円
土屋鞄製作所は、子どもたちが6年間使うランドセルづくりから始まったブランド。
300を超える工程を経て完成する土屋鞄のランドセルは、ミリ単位のずれも許されません。
そんな繊細な仕事をする職人たちが大切にしているのは、「丁寧」という、人とものと時間を大切にする日本の価値観。
お財布にも、彼らの「丁寧」の姿勢がにじみ出ているんです。
きわめてシンプルな作りで、コードバンの輝きを存分に楽しめます。
ポケットに収めやすい携帯性や、紙幣、硬貨、カードを効率よく収納できるのもポイント。
職人による「丁寧」な作りで、上質な革を長く楽しむことができます。
ロウで生まれる上品な表情を楽しめる、個性派なお財布|COCOMEISTER
コードバンクラシック・スウィープ
51,200円
ココマイスターは欧州からの輸入皮革を日本一保持しているブランド。
独自に革倉庫を持ち、イギリスやイタリアなど欧州各国から革素材を輸入しています。
西洋の洗練されたセンスが、その商品からも漂っています。
ヨーロッパの革を製品に仕立てるのは、日本の熟練職人です。
素材と技術。まさに和洋折衷の製品といえるでしょう。
日本製のロウ引きコードバンとベルギー産のレザーを組み合わせた上品な風合いが魅力です。
ロウの加工により、革の乾燥を防ぎ、使い込むと美しい表情を楽しめます。
英国競馬であるクラシック競争をイメージしたコレクションです。
ユニセックスなデザインで、パートナーとペアで持ちたい方にも|CRAFSTO
49,940円
CRAFSTOは時代を超えて愛されることを目指す「timeless」や
手に取る人の性別を問わない「Gender neutral」などを掲げる新進気鋭の革小物ブランドです。
シンプルでモダンなデザインは時代や性別を問わず楽しめるものを目指しているもの。
「誰でも」「いつでも」使える商品が揃っています。
1905年創業の名タンナー、アメリカのホーウィン社のシェルコードバンを使用しています。
ホーウィン社のシェルコードバンは昔と変わらず良質な鞣し材とオイルのみを使用し、時間をかけて丁寧に仕上げられているため、コードバンの金字塔として名を馳せています。
Gender neutralをブランドのテーマに掲げていることもあり、このお財布も男女問わず使えるモダンなデザインになっています。
日本最高峰のブランド。「本物志向」の男性に|GANZO
49,500円
ガンゾは、最高級のレザー製品を手掛ける日本のブランドです。
ブランドを支えるメーカーはなんと創業100年を超える老舗なんです。
紳士財布の王道であるシンプルで直線的なデザインを得意にしており、
「本物志向」の男性に人気です。
革好きはたまらないヌメ革を内装に使用しています。
ヌメ革とは、着色や表面加工などを行わない革を指します。
外装のコードバンと合わせて、エイジングをとことん楽しめるので、ずっと持っていたくなりますね。
オイル染めなのに低価格。 ステッチで「粋」を楽しむお財布|FUJITAKA
38,500円
FUJITAKAは、「日本」の技術や感性を大切にする鞄のブランド。
ブランド名も「富士」と「鷹」からきており、
日本で受け継がれてきた匠の技と、遊び心のあるクリエイションの融合を目指しています。
希少なオイルコードバンを使いながら、価格も抑えたコストパフォーマンスが高い逸品。
職人が丁寧に縫い上げたステッチが、手元をさりげなく彩るアクセントになっています。
日本的な「粋」の文化を、お財布でも表現している作品です。
【3万円以下】低価格でコードバンを手にしたい方に
京都のバックメーカーが手掛けたお財布|くれあーれきき
16,940円
「くれあーれ」とは創造を意味する言葉。
地元京都の熟練職人がハンドメイドで作り上げるバックメーカーです。
日本固有の「ほんまもの」を届けたいという想いのもとで、職人さんたちが製作にあたっています。
京都の帆布素材を利用したバックメーカーが手掛けたお財布。
比較的低価格で、コードバンの輝きを味わうことができます。
ビジネスマンに向けて作られたお財布|FLYING HORSE
19,980円
FLYING HORSEは、ビジネスシーンに最適なレザーグッズコレクションをそろえるブランド。
忙しく生きるビジネスマンのために、商品は使いやすさを重視しています。
比較的低価格でレザーグッズを手にできるのも嬉しいところです。
こちらも宮内産業により製造されたコードバンを使用。
使い心地を追求し、多忙なビジネスマンに向けて作られたお財布です。
カードポケットが多く、機能面を大切にしたい方にお勧めです。
【6万円以上】唯一の特徴を持ったお財布を持ちたい方へ
手作業で生まれる独自のグラデーションを、目で楽しむ|yuhaku
60,500円
yuhakuは、染色に強いこだわりを持つブランド。
絵を描くように、複数の色を重ねる染色はyuhakuの職人だけが持つまさに職人技。
全て手作業で行われる染色は、職人の“感性”によって生み出されているんです。
言葉では表現できない、柔らかな色のグラデーションが魅力です。
yuhakuのコードバン財布は、他には出せない色合いが魅力的です。
4~8色の染料を革の上で重ねていく世界でも類を見ない手染め製法によって、
革製品本来の奥深さとyuhakuならではのグラデーションの美しさが味わえます。
内装にも特別な素材を使った贅沢なお財布|COCOMEISTER
75,000円
先ほども紹介したココマイスター。
イタリアやイギリスといった、ヨーロッパ風の「お洒落」を体現しているブランドです。無料会員登録を行うと、商品の永年保証制度が受け取れるのも、商品への強いこだわりや愛が感じられますね。
その内装に、英国で紀元前から伝わる製法をもとに作られているオークバークレザーを使用しています。
オークバークレザーとは、オークの樹皮から抽出されるタンニンを用いて、「365日と1日」をかけて革を鞣すというもの。
この「365日と1日」というのは、オークの木を守るためにイギリスでつくられた鉄の掟だそう。
掟を守りながらつくられるオークバークは、上品でヴィンテージな、長い歴史を感じさせてくれる逸品です。
結びに
以上、コードバン二つ折り財布の紹介でした。
この記事を通じて、
だからコードバン製品って高級なんだな、
自分もコードバンのお財布を持ちたい!
といった感想をお持ちいただけたら、コードバン好き冥利に尽きます。
革好きなら一度は持ちたい素材、コードバンですが、その染め方によっても質感や色合いは変わってきます。
高級なものだからこそ、自分が納得できるお買い物の参考になれば幸いです。