スーツのスラックスといえば、ベルトを締めるもの。
休日のスウェットといえば、腰ひもを結ぶもの。
そんな常識がありませんでしょうか? 少なくとも私はそうでした。ところが最近は「腰ひもを結ぶスラックス」なるものが続々と登場しているのです。
スーツテイストのフォーマルさと、腰ひもが露出しているカジュアルさの両立。
そんな、大人コーデにピッタリなアイテムとして重宝されている「腰ひもスラックス」は、よりお洒落に“こう”呼ばれています。
「ドローコード・スラックス」と。ドローコードパンツとも呼ばれます。
さて、今回の生地では「ドローコード・スラックス」にフォーカスしまして、その特徴やオススメモデルを紹介していきたいと思います。
「……ドローコードって、何? 腰ひものこと?」
「おすすめのブランドとかあるの?」
そんな悩みをお持ちの皆さんのお手伝いができれば幸いです。
ドローコードって、何?
そもそも効き馴染みのない方にとっては「ドローコードって何ぞや?」ということになると思いますので、まずは整理から。
「 draw〔英:引っ張る〕+ cord〔英:ひも〕」という成り立ちから分かるように、ドローコードとは、つまり「引っ張るひも」を指す言葉。
主に、ファッションアイテムに採用されている「引っ張って、締まりを調節するひも」をドローコードと呼びます。
パーカーのフードを絞るひも。
カジュアルパンツのウエストを絞るひも。
スニーカーの靴ひも。
おそらく、見たことが無い人はいない「ひも」にも、実はドローコードという名前があったワケです。
ドローコード・パンツの魅力とは?
ドローコードの知識をインストールしたところで、ドローコードスラックスの魅力を紹介していきます。
ベルトを締めないので脱ぎ履きが楽
ドローコードで締まりを調節するため、ドローコードスラックスは、とにかく脱ぎ履きの手間が楽。
まずはこれです。
また、多くのモデルでシャーリング(ウエストのゴム)が採用されており、フィット感も抜群です。
ちなみにドローコードが表側にあるか裏側にあるかは、なかなか難しい問題。
「見栄えを優占して、腰に結び目がふれる」のか「見栄えがカジュアルになる代わりに、フィット感が増す」のか、一長一短だからです。
クラシックなスーツスラックスらしい、ドレス感
かなりドレス寄りのアイテム。それもドローコードスラックスの特徴の1つ。
要は、腰ひもが付いている以外は、ほぼスラックスな訳です。
ベルトループの有無。センタープレスの有無。プリーツの有無。ドローコードが裏にあるか否か。
これらのディティールが増えれば増えるほど、更にスーツスラックスに近づいていくため、ビジネスシーンでのジャケパンスタイルとして着用できるようになります。
サイズやシルエット選びは、いつものスラックスを選ぶように
スウェットのようにタイトな感じであったり、逆にゆったりしすぎであったりはNG。
あくまでも普通のスラックスを選ぶときの目安を順守しましょう。
スーツスラックスを選ぶときのポイントとして、ウエストよりもヒップを基準に選んだ方が、パツパツ感やダボダボ感が起きにくいと言われています。
ドローコードのパンツ・スラックスのオススメ6選
ここからはおすすめのドローコードスラックスを紹介していきます。
実際に購入するときの参考にしてみてくださいね。
※各商品の価格は2020年1月25日時点でのものとなります。
パンツ業界の最大王手「インコテックス」の春夏ドローコードスラックス
64型は、“ドレス顔の楽ちんパンツ”であるイージーパンツの定番。
ウールとコットン、リネンを混紡した、春夏シーズンには最強といっても過言ではない素材を採用し、見た目の清涼感と柔らかい履き心地を融合した1枚に仕上がっています。
細いままで楽な履き心地を実現する、動体裁断®採用ドローコードスラックス
衣服解剖学から生まれたパターン技術「動体裁断®」を採用することで、スリムなまま楽な履き心地・座り心地・歩き心地を実現。
かつて宇宙飛行士の船内作業着を仕立てた縫製技術も存分に生かされ、昨今のリモートワークにもドンズバなスラックスに仕上がっています。
ポリ生地の機能性と、しっとりした風合いを持ち合わせる「SOLOTEX®」を採用したドローコードスラックス
従来のポリエステル系生地では表現できなった、風合いやクッション性を備えた「SOLOTEX®」を採用。
形態安定・回復性も高いため、型くずれしにくいのも凄い嬉しい(助かる)ですね。
ベルギー王室御用達ブランドが仕立てる、テーパードシルエット
世界的ファッションデザイナー・ドリス=ヴァン=ノッテン氏からOEM発注を受けたり、ベルギー王室御用達を拝命したりと、高い技術力は折り紙付き。
テーパードシルエットなので、太もも部分にはしっかり余裕があり、履き心地も楽に仕上げられています。
結び目が内側なので、仕事のジャケパンにも使える便利ドローコードスラックス
今回紹介するのは、PTトリノを代表する人気シリーズ「トラベラー」にドローコードを採用したモデル。
ジッパー仕様やベルトループ有、ドローコードの結び目が内側など、一般的なスラックスと同じように、でも楽に、着用可能です。
伸縮性◎のウールサキソニーを採用した、オンオフ兼用ドローコードスラックス
ドローコードとベルトの好きな方で締まりを調節できるため、オンオフ問わずに着用することができます。
伸縮性に優れたウールサキソニーを採用しているため、履き心地も◎。
あとがき
以上、ドローコード・スラックスについて紹介・解説してきました。
参考になりましたでしょうか?
スーツのスラックスを、ビジネス用ではなく平日用として用意している人も多い昨今。
“フォーマルさ”と“楽ちんさ”を両立した、ドローコード・スラックスは、見逃したままでは勿体ないアイテムの1つです。
『紳士のシャツ』編集部の大山がお送りしました。
ではでは。