「とりあえずハイボール」。
お店での最初の一杯においては、不動のエースだったビールも、徐々にその地位から陥落しつつある昨今。
ウイスキーの手軽な飲み方であるハイボールは、テレビのCMをはじめ、飲食店のメニュー表でもよく見かけ、この10年余りで本当にウイスキーというものが世に定着したなと感じます。
それこそ一昔前だと、ウイスキーはオジサンがバーでロックグラスを傾ける渋いイメージしかなかったですし、それだけに「紳士の嗜み」、「大人の愉しみ」として考えられていました。
少し敷居の高さを感じさせる雰囲気も、なかなか若者たちに浸透しなかった原因かもしれません。
ですが、これだけ身近な存在になったウイスキーですから、ただ何となく飲むのではなく、せっかくなら正しい知識を身に付けて美味しく楽しみたいものですよね。
そこでこの記事では、紳士の階段を駆け上がっているみなさんに、ウイスキーの基本にはじまり選ぶポイントや飲み方までをじっくりと解説。
最後に、初心者にも安心のものから通好みの個性的な銘柄まで、合計30本のおすすめのウイスキーをご紹介いたします。
一通り読めば、ウイスキーの基本的な知識や銘柄を身に付けることができますので、ぜひ最後までお付き合いください。
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※掲載されている価格(税込)は、2022年09月26日時点のものです。
ワインの神様に祝福されたグレートヴィンテージ生まれ。
ミシュラン星付きフレンチ、ワインインポーターを経て、ライターの道へ。
特にブルゴーニュとシャンパーニュの古酒を好むが、自分の生まれ年は高くてなかなか手が出ないのが悩ましいところ。
趣味は、ワイン売り場のパトロールをしながらのデパ地下巡り。
【知ればもっと美味しくなる】
ウィスキーはどんなお酒?
ウイスキーは、お酒の種類でいうと「蒸留酒」に分類されます。
ビールやワインといった醸造酒は、ホップやブドウ果汁の糖分をアルコール発酵させてお酒にしますが、蒸留酒はさらにそれを蒸留してアルコール分を高めたもの。
ここでは、まずは簡単にウイスキーの原料や造り方、種類に触れたいと思います。
【味わいのベースは穀物】
ウィスキーの原料とできるまで
ウィスキーの原料となるのは、大麦やライ麦、トウモロコシなど。
ウイスキーを飲んだ時に感じる独特なコクや甘みはこうした穀物に由来します。
ここでは、簡単にウイスキーができるまでの工程をざっくりと見ていきましょう。
上記の穀物を水分に浸し、お粥のような状態にして糖分をアルコールに変えます(アルコール発酵)。
こうしてできた液体(もろみと呼びます)を蒸留することによってウイスキーの原型ができあがります。
この段階ではまだ無色透明で、このあと樽に入れて数年~数十年の年月をかけて熟成させていきます。
そして樽の中で眠っている間に、ウイスキーはみなさんがよく目にする「琥珀色」の液体へと変化し、素晴らしい香りや味わいへと成長するのです。
最後に、ウイスキーが製品として世に出る段階で、2つのタイプに分けられることになります。
その詳細は、続く章で見ていくことにしましょう。
【タイプは大きく2つ】
ウイスキーの種類
普段私たちが百貨店やバーで見かけるウイスキーには大きく2つのタイプがあり、「シングルモルトウイスキー」と「ブレンデットウイスキー」に分けられます。
これら2つのウイスキーの異なる点をざっくりと説明すると、名前の通り、単体(シングル)なのか混ざっているのか(ブレンデット)という違いです。
- シングルモルトウイスキー
1つの蒸留所の原酒(モルトウイスキー)のみで造られたもの - ブレンデットウイスキー
モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして造られたもの
また新しい名前のウイスキーが出てきましたが、モルトウイスキーとは大麦を発芽させた麦芽(モルト)のみから造られるウイスキーで、グレーンウイスキーはライ麦や小麦、トウモロコシといった穀物(グレーン)から造られるウイスキーのことです。
ベースとなるこれら2つの原酒の個性をうまく活かしながら、シングルモルトとして、またはブレンデットとして世に送り出されることになります。
また、余談になりますが、グレーンウイスキーは補佐役というか、なんだかブレンドの調整役のような役割と思われがちですが、グレーンウイスキー単体のものも製品としてリリースされています。
ちゃんとスポットライトを浴びる機会がありますのでご安心を。
【産地を知る】
世界5大ウイスキーとは?
世界各国で造られているウイスキーですが、「世界5大ウイスキー」と呼ばれる、特に生産量や品質が飛びぬけている5つのウイスキー(の産地)があります。
その5つとは、スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、そしてジャパニーズウイスキーです。
みなさんの中には、もっとも有名なスコッチウイスキーや、我らが(!)ジャパニーズウイスキーのことを、目や耳にしたことがあるかもしれませんね。
これら5つのウイスキー(の産地)には、それぞれに味わいの特徴があり、知ればより深いウイスキーの世界を楽しむことができるので、選び方やおすすめのご紹介の前に、少しお付き合いください。
【ウイスキーの代名詞】
スコッチウィスキー
泣く子も黙るウイスキーの代名詞であるスコッチウイスキー。
イギリス北部のスコットランドを原産とするウイスキーで、非常に長い歴史を持ちます。
軽やかな味わいのものからかなりクセのある個性的なものまで、幅広いタイプが揃うのが特徴。
もっとも代表的な銘柄は「ザ・マッカラン」というシングルモルトウイスキーで、戦後の日本のために尽力した、あの白洲次郎が愛飲していたことでも有名です。
スコッチウイスキー、特にシングルモルトウイスキーを知るうえで、押さえておかなければならないのがスコットランドの主要な生産地域。
下記の6つのエリアに大別され、それぞれに特徴的な香りや味わいがあります。
6つの主要生産エリア
- ハイランド
スコットランドの北部に位置し、山々に囲われた険しい地勢ながら面積・蒸留所数ともに最大を誇る一大産地です。
あまりに広いため、軽やかでフルーティーなものからスモーキーでヘヴィーな味わいまで多種多様なタイプが生産されています。 - スペイサイド
上記のハイランド地方の一部であるスペイサイド。
ハイランドの中でも特に優れた品質のウイスキーが造られ、蒸留所も集中しているのでこのエリアを独立して区分けしています。
フルーティーで華やかな香りのものが多く、繊細な口当たりも魅力です。 - ローランド
スコットランドの南東部に位置し、ハイランドとは対照的になだらかな低地が広がっています。
通常、蒸留は2回行われますが、ここローランドでは3回蒸留するのが特徴で、味わいはよりクリーンでライトなものになります。 - アイラ島
スコットランドの中で、もっとも個性的なウイスキーを生み出すアイラ島。
スコッチウイスキーの「聖地」とも呼ばれ、後ほどご説明する”ピート香”と呼ばれる強烈な香りと力強い味わいが特徴で、ウイスキー上級者や通好み向けと言えます。 - アイランズ
スコットランド沖に浮かぶ6つの島々を指します。
上記のアイラ島のウイスキーと香り・味わいがよく似ているのが特徴。
中でもスカイ島のタリスカーという銘柄が有名です。 - キャンベルタウン
スコットランド西部に位置する都市、キャンベルタウン。
かつては30以上の蒸留所が稼働していた主要都市でしたが、現在は数ヶ所を残すのみとなりました。
しかし、目の覚めるような品質の物ばかりで、世界的にも高い評価を獲得し存在感は失ってはいません。
地理的にアイラ島とハイランドの中間に位置し、その味わいもこれら2つのエリアの中間的な要素を併せ持っています。
【ライトな口当たりで飲みやすい】
アイリッシュウイスキー
スコッチウイスキーと並び、古くから親しまれてきたアイリッシュウイスキー。
アイルランドを原産とし、ウイスキー発祥の地とする見方もあります。
非常にスムースな口当たりが特徴。
後ほどご説明する”ピート香”と呼ばれる非常にクセの強い香りがないものがほとんどで、初心者にも飲みやすいタイプが主流です。
また、メーカーによっては、通常蒸留は2回のところを3回行うところもあり、アイリッシュウイスキーのクリーンでライトな口当たりという特徴を形作っています。
【甘いバニラのニュアンスが特徴】
アメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーでもっとも有名なのは、バーボンウイスキー。
みなさんの中にも耳にしたことがある方も多いかもしれませんね。
アメリカンウイスキーの主要な産地は、ケンタッキー州やテネシー州。
スコッチウイスキーとは異なり、主な原料はトウモロコシやライ麦で、より甘みやうま味を感じとれるのが特徴です。
また、熟成に使用する内側を焦がしたオーク樽に由来するバニラのような甘いニュアンスも魅力のひとつです。
アメリカンウイスキーには下記の3つのタイプがあり、それぞれに個性的な味わいです。
細かく法律で決まりがありますが、ここでは大まかな特徴を挙げておきます。
- バーボンウイスキー
原料に51%以上のトウモロコシを使用し、内側を焦がしたオークの新樽で熟成させる必要があり、2年以上熟成させたものはストレートバーボンウイスキーと名乗ることが可能。
やや赤みがかった色調で、バニラなどの甘いニュアンスが特徴です。 - ライウイスキー
原料に51%以上のライ麦を使用し、バーボンと同様、内側を焦がしたオークの新樽で熟成させる必要があり、2年以上熟成させたものはストレートライウイスキーと名乗ることが可能。
ライ麦独特の香ばしさが特徴で、やや苦味を感じながらも、樽由来の甘いフレーバーが楽しめます。 - コーンウイスキー
原料に80%以上のトウモロコシを使用し、熟成(させなくてもよい)には古樽もしくは内側を焦がしていない樽を使用する必要があります。
熟成させないものだと、ややアルコールのカドが残りますが、トウモロコシ特有の甘みが感じられる味わいに仕上がります。
【カクテルにも◎軽やかな味わい】
カナディアンウィスキー
世界5大ウイスキーの中でもやや影が薄いのが、カナディアンウイスキー。
主に、トウモロコシをベースとしたウイスキーに、ライ麦のウイスキーをブレンドしたブレンデットがメジャーです。
とてもライトでクセのないタイプが多く、カクテルの基酒(ベース)に使われることも多いのが特徴。
カクテルの女王と呼ばれるマンハッタンも、このカナディアンウイスキーがベースとなっています。
【世界が認めた日本オリジナル】
ジャパニーズウィスキー
最後は、日本が世界に誇るジャパニーズウイスキー。
日本国内で造られたウイスキーを指し、その歴史はウイスキーに魅せられたひとりの青年から始まります。
のちにニッカウヰスキーを立ち上げることとなる竹鶴政孝は、単身スコットランドへ渡り、ウイスキー造りのすべてを学びます。
2014~2015年にかけて人気を博したNHK連続テレビ小説「マッサン」の主人公のモデルとなった青年で、知っている方も多いのではないでしょうか。
帰国後は、寿屋(現サントリー)を創業した鳥井信治郎の呼びかけに応え、現在のサントリーのウイスキー造りの礎を築きました。
現在では、サントリーの「響」や「山崎」、そして「白州」とったウイスキーは、世界的なウィスキーコンペティションで数々の賞を受賞し、確固たる名声を築いています。
その後、竹鶴政孝はサントリーを離れてニッカウヰスキーを創業し、「竹鶴」や「余市」といった日本を代表するウイスキーを世に送り出したのです。
世界的な評価を得るジャパニーズウイスキーですが、非常に繊細なタイプから飲みごたえのあるスモーキーなものまで、とても個性豊かなバリエーションが特徴。
もちろん和食との相性も良く、水割りやハイボールを食中に楽しむのもおすすめです。
日本人の細やかなものづくりの精神が、日本独自の多様な個性を生み出したと言えるでしょう。
【初心者もこれで安心】
ウィスキーの選び方3つのポイント
ここからは、実際にウイスキーを選ぶときのポイントをご紹介。
ウイスキー初心者の方や普段あまり飲まれない方には、上記の5大ウィスキーの各特徴をざっくりと理解しつつ、これから解説する3つのポイントをまずは押さえていただければと思います。
押さえるべきポイントは、「飲みやすさ」、「熟成年数」、そして「樽の種類」の3つ。
自分の好みに照らし合わせて、どんなタイプがぴったりか想像しながらお読みください。
【まずはムリせず】
飲みやすさに注目
ウイスキーに興味があっても、最初にぜんぜん好みに合わないものに当たってしまっては、その後はあまり積極的に試してみる気にはなれませんよね。
ウイスキーには、とてもクセの強い個性的なタイプや60%以上にもなる高アルコール度数のものまでいろいろあります。
なので、最初は上記のようなものは避けて、無難であっても飲みやすいタイプからスタートするのがおすすめです。
【まろやかな口当たりが◎】
ブレンデット
ウィスキー初心者の方なら、まずは香りも味わいもマイルドで飲みやすいタイプがおすすめ。
上記でご説明したウィスキーの2つのタイプのうち、「ブレンデットウィスキー」が口当たりもよく、あまり飲み慣れていない方でも試しやすいかと思います。
価格もリーズナブルなものが多く、近所のスーパーや酒屋でも主要な銘柄が揃っているので、トライしやすいでしょう。
【お強いのがお好き?】
アルコール度数
ウイスキーの特徴でもある強いアルコール度数。
通常ウィスキーは、ボトリング(瓶詰め)する際に、飲みやすいように加水してアルコール度数を40%~46%まで下げます。
飲みやすいようにと言っても、度数が40%を越えるというのはお酒の中でもかなり強い部類で、舌やのどへの刺激も強烈です。
ですので、初心者の方なら、できるだけアルコール度数の低いものを選ぶことをおすすめします。
ウィスキーの中には、「カスクストレングス」と呼ばれるタイプがあります。
「カスク」とは樽のことで、いっさい加水せず、樽に入ったままの原酒をボトリング(瓶詰め)したウィスキーのこと。
アルコール度数は60%を超えるものあり、強烈な刺激とともに、原酒本来の個性を楽しむことができます。
【だんだんとハマる】
クセ(ピート香)の強さ
ウイスキーの中には、かなり強烈な個性(クセ)を持つものもあるので、少し注意が必要です。
上記の5大ウイスキーのところで登場した、スコッチウイスキーの中の「アイラ島」のものが代表例で、「ピート香」と呼ばれる薬品(ヨードチンキなど)や磯の香り、スモーキーな香りが特徴。
ピートとは、堆積した植物が炭化した泥炭(でいたん)のことで、簡単に言うと植物からできた石炭です。
特にアイラ島では、原料である大麦を乾燥させる際に、このピート(泥炭)を燃やすので、できるウィスキーに独特な香りが付与されます。
マイルドなタイプが好みなら、アイラ島のウィスキーや、ラベルに“Peat”や“Peated”と表記されているものは、避けた方がよいでしょう。
ですが、ウイスキーを飲み慣れてくると、だんだんとこのクセが堪らなくなってくることが多いのも事実。
どんなものか試してみたいという方は、ボトル1本購入するのはしんどいかと思いますので。まずはバーでチャレンジしてみてください。
また、余談になりますが、生牡蠣と”磯の香り”が特徴のアイラモルト(アイラ島のシングルモルト)の相性は抜群。
ワインとフードのマリアージュは有名ですが、ウイスキーもお酒。
組合せ次第で愉しみ方は無限に広がりますよ。
通になると、生牡蠣にアイラモルトを数滴たらして食べたりもしますので、ぜひお試しいただきたい組合せです。
【時間が生み出す香りと味わい】
熟成年数に注目
ウイスキー最大の魅力のひとつである熟成。
樽の中で長い時間を経て生み出される香りと味わいは、何物にも代えがたいウイスキーの贈り物です。
ウイスキーには熟成年数の表記のあるものとないもの、2つのタイプがあります。
それぞれどのような特徴があるのか、さっそく見ていきましょう。
【まろやかで飲みやすい】
ノンエイジ(Non Age)
CMや広告でよくみかける、お馴染みのサントリーの「角瓶」や、ニッカウヰスキーの「ブラックニッカ」などは、いろいろな熟成年数の原酒をブレンドした年数表記のないノンエイジ(Non Age)のウイスキー。
NAS(ナス:Non Age Statement)やノンヴィンテージ(NV: Non Vintage)と呼ばれることもあります。
さまざまな個性を掛け合わせものなので、まろやかでスムースな飲み口が特徴。
また、味わいや品質も非常に安定しており、価格も控えめなので自宅で気軽にしっぽりと愉しむにはうってつけのタイプと言えます。
【円熟味を愉しむ】
年数表記
ウイスキーの中には、ラベルに「12年」や「18 years」といった年数が表記されているものがあります。
これらは、文字通りウィスキーの熟成年数を表していますが、最低でも12年、18年熟成させたものをブレンドしているということ。
なので、12年とあっても、もっと古い原酒がブレンドされていることもあります。
熟成年数が長ければ、香りや味わいはより深く複雑なものなりますが、当然価格も高くなるので、気軽にチャレンジしづらいのがツライところです。
ですが、近年世界的にウィスキーの原酒不足が続いており、従来は「12年」や「18年」といった年数表記のものしかなかったウィスキーにも、ノンヴィンテージ(NV)のラインナップが登場。
味わいもよく、価格も控えめなので、まずは入門編として試してみるのもおすすめです。
【さらに一歩進んで】
樽に注目
ワインと同じく、ウィスキーの香りや味わいは、熟成に使用する樽の影響を大きく受けます。
アメリカンウィスキーのバーボンは、ホワイトオーク(オーク=ナラの樹)の新樽(新品のもの)の使用が義務付けられていますが、そのほかのウィスキーには、こうした決まりがありません。
ですので、通常ウィスキーの熟成には、新品よりも安く入手できるバーボンで使用したお古の樽(バーボン樽と呼びます)が用いられます。
ですが、中には敢えてシェリーを熟成させたシェリー樽やワインを熟成させた樽を使用して、意図的に特徴的な香りや味わいをウィスキーに付けるスタイルも。
代表的な例を下記に挙げるので、飲む際の参考にしていただければと思います。
多くの場合、ラベルに”〇〇カスク”、”〇〇ウッドフィニッシュ”という形で記載があるので見印になります。
例)シェリーカスク、ミズナラウッドフィニッシュ、など。
※カスクとは「樽」のこと。バレルも同義。
- バーボン樽
その名の通りバーボンを熟成させるための樽。
ホワイトオークから造られ、内側を焦がして使用する必要があります。
バニラのような甘い香りが生まれるのが特徴。
使い終わった樽の多くは払い下げられ、スコッチをはじめとしたそのほかのウイスキーの熟成に使用されることになります。 - シェリー樽
酒精強化ワインであるシェリー酒の中でも、主にオロロソと呼ばれる香り高いタイプを熟成させた樽が使用されます。
できあがったウィスキーには、独特の香りとコク、深いブラウンがかった色調が加わります。 - ミズナラ樽
サントリーが生み出した、日本に自生するミズナラから造られた樽。
太平洋戦争の影響で、熟成に必要なシェリー樽の輸入が困難になったことから、日本独自の樽を模索したのが始まりです。
ジャパニーズオークとも呼ばれ、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)を思わせる香りが特徴。
近年では、世界的にも注目を集め、高い評価も獲得しています。 - ワインを熟成させた樽
主にソーテルヌ(貴腐ワイン)と呼ばれる甘口ワインや、ポートやマデイラなどの甘口の酒精強化ワインを熟成させた樽。
ソーテルヌだと濃密なハチミツ、ポートなどでは赤いベリーのコンポートのような香りが生まれ、リッチで芳醇なウイスキーに仕上がります。
※”ソーテルヌウッドフィニッシュ”や”ポートカスク”などの表記。
【好みやシーンに合わせて】
いろいろあるウィスキーの飲み方
産地や熟成年数、そして樽など、ウイスキーを愉しむ上での特徴を見てまいりましたが、仕上げに「飲み方」に注目しましょう。
ここでご紹介するは全部で5つの飲み方ですが、ひとつの飲み物にこれだけバリエーションがあるのは非常に珍しいこと。
それだけ、ウイスキーの持つ引き出しが多いということでもあるので、ウイスキーのタイプや自分の好み、飲むシーンに合わせていろいろと試してみてください。
【ストレート】
手を加えずウイスキー本来の香りと味わいを愉しむ飲み方。
ショットグラスもよいですが、テイスティンググラスと呼ばれる小ぶりなワイングラスのような先のすぼまったものがおすすめ。
より香りや味わいの変化を愉しむことができます。
【ロック】
シングルモルト、ブレンデット問わず、大きめの氷を入れたグラスで愉しむもっともポピュラーなスタイル。
シンプルながら、氷で冷やされることでアルコールの刺激がマイルドに。
また、徐々に溶け出してくる水分で、味わいにもグラデーションが生まれ、ウイスキーの違った表情を見ることができます。
【ハイボール】
みんな大好きハイボールです。
バーなどでは、”ソーダ割”と呼ばれることも。
炭酸の刺激が心地よく、ウイスキーの香りを愉しみながらもライトな飲み口なので、食前に限らず食中にもおすすめです。
よく冷やしたタンブラーにギッチリと氷を詰め、「ウイスキー:炭酸=1:3~4」程度の割合がよいでしょう。
好みでレモンのピールや果汁を加えても◎。
また、苦手でなければスモーキーでピート香のあるアイラ島のウイスキーがおすすめで、弾けるクセのある香りと炭酸の爽快なのど越しが病みつきになりますよ。
【水割り】
食中にウイスキーを愉しむのにおすすめの飲み方。
特にジャパニーズウイスキーとの相性がよく、もちろん和食との相性は抜群です。
ハイボールと同様、氷を詰めたタンブラーに、「ウイスキー:ミネラルウォーター=1:2~2.5」程度がおすすめ。
スムースな口当たりで、主張しすぎない香りが食事にそっと寄り添ってくれます。
【トワイスアップ】
ウイスキーの香り(芳香)をじっくりと愉しむ飲み方です。
香りが一番開くのが、アルコール20~30度と言われており、割合は「ウイスキー:ミネラルウォーター(常温)=1:1」。
ストレートと同様、ウイスキーの香りを最大限に感じ取るためにテイスティンググラスを使いましょう。
また、香りや味わいを損ねないように、使用するミネラルウォーターは軟水のものがおすすめです。
【自宅やバーで広がる愉しみ】
おすすめのウィスキー30選
それでは、お待ちかねのおすすめのウイスキー30選をご紹介したいと思います。
これまでに見てきた「シングルモルト」と「ブレンデット」の2つのタイプからそれぞれ15本。
初心者でも気軽にトライできるものから、ウイスキーが好きなら「これは押さえておきたい!」というアイテムまでを網羅いたしました。
一通り読めば、銘柄に関してはちょっと自慢できるくらいの知識が身に付きますので、好みの1本を探しつつ、まずはざっと目を通していただければと思います。
※掲載されている価格(税込)は、2022年09月26日時点のものです。
【豊かな個性が光る】
シングルモルトウィスキー15選 |
【ブレンドの妙を味わう】
ブレンデットウィスキー15選 |
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シングルモルトの ロールスロイス |
シングルモルト の入門に最適 |
繊細で女性にもおすすめ | 果実味溢れる香り | 甘美な雫を味わう | 強烈な個性を愉しむ | エレガントな アイラの女王 |
刺激的な香りと味わい | ピーティー&スパイシー アイランズの個性派 |
”スモーキー”に初挑戦 | 世界に誇る サントリーの銘酒 |
すっきり&少しスモーキー | スモーキーで重厚 | 華やかな香りと味わい | 日本のアイラを目指して | 人気・知名度は随一 | ブレンドの魔術師 | ミズナラ樽で仕上げた スコッチの名品 |
スコッチで ハイボールならこれ! |
手軽にスコッチを | 滑らかな口当たりが◎ | バニラの香りが溢れる | バーボンを知る1本 | 穀物の柔らかさが◎ | ライトな飲み口で カクテルにも |
ハイボールと言えばこれ! | ブレンデットの傑作 | グレーンの魅力を再認識 | 飲みやすさNo. 1 | ピュアモルトの極み |
– 商品名 – ザ・マッカラン シェリーオーク 12年 |
– 商品名 – グレンフィディック 12年 スペシャル リザーブ |
– 商品名 – ザ・グレンリベット 12年 |
– 商品名 – グレンモーレンジ オリジナル 10年 |
– 商品名 – グレンモーレンジ ネクタードール ソーテルヌカスク |
– 商品名 – ラフロイグ 10年 |
– 商品名 – ボウモア 12年 |
– 商品名 – アードベッグ テン |
– 商品名 – タリスカー 10年 |
– 商品名 – カネマラ オリジナル |
– 商品名 – サントリー 山崎 |
– 商品名 – サントリー 白州 |
– 商品名 – ニッカウヰスキー 余市 |
– 商品名 – ニッカウヰスキー 宮城峡 |
– 商品名 – 厚岸(あっけし) 蒸留所 芒種(ぼうしゅ) |
– 商品名 – ジョニー・ ウォーカー レッド ラベル |
– 商品名 – バランタイン ファイネスト |
– 商品名 – シーバスリーガル ミズナラ 12年 |
– 商品名 – デュワーズ ホワイトラベル |
– 商品名 – カティーサーク EC |
– 商品名 – ジェムソン |
– 商品名 – ジャック・ ダニエル ブラック オールド No.7 |
– 商品名 – ワイルドターキー 8年 |
– 商品名 – メーカーズマーク レッドトップ |
– 商品名 – カナディアンクラブ |
– 商品名 – サントリー 角瓶 |
– 商品名 – サントリー 響 ジャパニーズ ハーモニー |
– 商品名 – サントリー 知多 |
– 商品名 – ニッカウヰスキー ブラックニッカ クリア |
– 商品名 – ニッカウヰスキー 竹鶴 ピュアモルト |
– 参考価格 – ¥15,400 |
– 参考価格 – ¥3,850 |
– 参考価格 – ¥3,719 |
– 参考価格 – ¥3,685 |
– 参考価格 – ¥7,485 |
– 参考価格 – ¥5,577 |
– 参考価格 – ¥3,850 |
– 参考価格 – ¥6,985 |
– 参考価格 – ¥6,160 |
– 参考価格 – ¥2,926 |
– 参考価格 – ¥14,300 |
– 参考価格 – ¥11,000 |
– 参考価格 – ¥5,278 |
– 参考価格 – ¥3,980 |
– 参考価格 – ¥48,500 |
– 参考価格 – ¥1,149 |
– 参考価格 – ¥1,188 |
– 参考価格 – ¥3,599 |
– 参考価格 – ¥1,177 |
– 参考価格 – ¥980 |
– 参考価格 – ¥1,598 |
– 参考価格 – ¥1,940 |
– 参考価格 – ¥2,710 |
– 参考価格 – ¥2,090 |
– 参考価格 – ¥1,040 |
– 参考価格 – ¥1,350 |
– 参考価格 – ¥15,180 |
– 参考価格 – ¥3,628 |
– 参考価格 – ¥748 |
– 参考価格 – ¥9,900 |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – アイリッシュ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – スコッチ |
– タイプ – アイリッシュ |
– タイプ – アメリカン |
– タイプ – アメリカン |
– タイプ – アメリカン |
– タイプ – カナディアン |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– タイプ – ジャパニーズ |
– 味わいの特徴 – 華やかで フルーティー |
– 味わいの特徴 – ライトで フルーティー |
– 味わいの特徴 – 華やかで繊細 |
– 味わいの特徴 – スムースで フルーティー |
– 味わいの特徴 – リッチでスイート |
– 味わいの特徴 – スモーキーで 強いクセ |
– 味わいの特徴 – スモーキーながら 繊細 |
– 味わいの特徴 – スモーキーで 強いクセ |
– 味わいの特徴 – スモーキーで スパイシー |
– 味わいの特徴 – ライトで ややスモーキー |
– 味わいの特徴 – 華やかで 甘みを感じる |
– 味わいの特徴 – 少しスモーキーで すっきり |
– 味わいの特徴 – スモーキーで重厚 |
– 味わいの特徴 – 華やかで繊細 |
– 味わいの特徴 – スモーキーながら 甘みを感じる |
– 味わいの特徴 – ライトで ややスモーキー |
– 味わいの特徴 – 軽すぎず 甘みを感じる |
– 味わいの特徴 – 華やかで フルーティー |
– 味わいの特徴 – フルーティーで すっきり |
– 味わいの特徴 – ライトで 甘みを感じる |
– 味わいの特徴 – クリアでスムース |
– 味わいの特徴 – バニラ香が強く 穀物の甘みを感じる |
– 味わいの特徴 – バニラ香が強く重厚 |
– 味わいの特徴 – ライトで 穀物の甘みを感じる |
– 味わいの特徴 – 軽やかでクセがない |
– 味わいの特徴 – 軽すぎずまろやか |
– 味わいの特徴 – まろやかで 非常に複雑 |
– 味わいの特徴 – クリーンで 穀物の甘みを感じる |
– 味わいの特徴 – 非常にクリアで スムース |
– 味わいの特徴 – 華やかで フルーティー |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 46% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 46% |
– アルコール度数 – 45.80% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 43% |
– アルコール度数 – 43% |
– アルコール度数 – 45% |
– アルコール度数 – 45% |
– アルコール度数 – 55% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 50.50% |
– アルコール度数 – 45% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 40% |
– アルコール度数 – 43% |
– アルコール度数 – 43% |
– アルコール度数 – 37% |
– アルコール度数 – 43% |
– 熟成年数 – 12年 |
– 熟成年数 – 12年 |
– 熟成年数 – 12年 |
– 熟成年数 – 10年 |
– 熟成年数 – ノンエイジ |
– 熟成年数 – 10年 |
– 熟成年数 – 12年 |
– 熟成年数 – 10年 |
– 熟成年数 – 10年 |
– 熟成年数 – ノンエイジ |
– 熟成年数 – ノンエイジ |
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【豊かな個性が光る】
シングルモルトウィスキー15選
シングルモルトには、親しみやすいタイプからとても個性的なものまで実にさまざまなタイプが顔を揃えます。
その中でも定番や王道と言えるものを中心に、知っておきたい銘柄、ぜひ試していただきたいなと思えるアイテムを網羅いたしました。
シングルモルトのロールスロイス|スコッチウィスキーの代名詞ともいえる銘酒
この地で生み出される銘酒の中でもひときわ輝いを放つのが、ザ・マッカラン。
”シングルモルトのロールスロイス”と評されるほど、その味わいには気品があり飲み手の心を掴んで離しません。
シェリー樽で熟成され、バニラやシェリー酒、ドライフルーツの甘さに、ジンジャーやスパイスのニュアンスが続きます。
スコッチウイスキーの中でも高貴なオーラを漂わせるザ・マッカラン。
ゆっくりと流れる時間を感じながら、ストレートやロックで味わいたいシングルモルトウイスキーです。
シングルモルト入門に|世界中で愛される上品で繊細な味わい
世界で初めてシングルモルトとして、世に発売されたことでも有名です。
グレンフィディックは、ゲール語で”鹿の谷”を意味し、ラベルには牡鹿にイラストがシンボルとして描かれています。
洋ナシやレモンといったフルーティーな、ややライトな香りで、飲み口も繊細です。
バタースコッチなどの甘い味わいも素晴らしく、ウィスキー初心者の方に特におすすめしたい銘柄と言えます。
女性にもおすすめ|バランス感も◎フルーティーでソフトな味わい
独自の蒸留器を使用し、複雑で繊細な味わいを生み出しています。
フローラルさとトロピカルさを併せ持つ香りに、夏草を思わせる少し青みを帯びたニュアンスが特徴。
樽によるバニラやハチミツの甘いフレーバーが、滑らかな余韻を支えてくれます。
女性にも人気があるので、週末にふたりでゆっくりとグラスを傾けるのもおすすめです。
果実味溢れる香り|口当たりも優しくお酒を飲み慣れない方にもぜひ
ゲール語で「大いなる静寂の峡谷」の意味を持ちますが、果実味溢れる香りが特徴でとても親しみやすいタイプ。
スムースな飲み心地で、柑橘系のさわやかな香りも加わり、お酒があまり得意ではない方にもおすすめしやすい銘柄です。
ロックもおすすめですが、弾ける果実味が楽しめる水割りやハイボールもぜひお試しください。
甘美な雫を味わう|シングルモルトと甘口ワインの融合
柑橘系のタルトやケーキ、ハチミツを思わせる甘い香りに続いて、ナツメグやジンジャーのスパイスのニュアンスも。
アルコール度数は46%と少し高めですが、口当たりはスムースで舌の上でトロリと甘みが広がります。
ストレートやロックで、芳醇な甘みと余韻をじっくりと愉しみたい1本です。
強烈な個性を愉しむ|アイラモルトを代表する唯一無二の存在
国王チャールズ3世も長く愛飲しており、プリンス・オブ・ウェールズ御用達の勅許状を賜っていることでも有名です。
荒々しい海辺を思わせる海藻やヨードの刺激的な香りにスモーキーさが加わり、飲み手の心に強く印象を残します。
バーボン樽らしい甘いバニラのニュアンスが続き、ナッツ類の香ばしさも。
飲み方は、やはりストレートかトワイスアップで。
唯一無二といえる香りを愉しむべきシングルモルトウイスキーと言えるでしょう。
アイラの女王|スモーキーながらエレガントさを失わない珠玉の味わい
刺激的な香りが特徴のアイラモルトの中でもっとも繊細なウイスキーと言われており、「アイラの女王」の異名を持ちます。
ピート香やスモーキーな香りだけでなく、樽由来のウッディなノートが加わるので、アイラ初心者でもトライしやすいでしょう。
チョコレートのような甘いニュアンスもあるので、食後にビターチョコレートなどと合わせて、じっくりと上質な時間を愉しむのもおすすめです。
刺激的な香りと味わい|生産停止から復活した愛好家垂涎の1本
現在の世界的な人気とは裏腹に、世界的なウイスキー不況のあおりを受けて、一時は操業停止にまで追い込まれることになりましたが、
その後は見事に復活を果たし、現在も不動の人気を誇ります。
強烈なスモーキーさとピート香が襲ってきますが、そのあとには柑橘類や青リンゴを思わせるフルーティーな香りが続きます。
ややアルコール度数は高めでパワフルさを感じさせますが、その背後にある繊細な香りと余韻を愉しみたい1本です。
ピーティー&スパイシー|ウイスキーマニアも唸るアイランズの個性派
荒々しい天候で海からの潮風も強い環境下で、アイラモルトにはない独特な個性を発揮しています。
立ち上る香りには、スモーキーさやピート香といったアイラモルトに似た特徴を感じられますが、タリスカーの真骨頂は、コショウのようなスパイシーさと舌の上で感じる塩味。
海に囲まれた蒸留所を彷彿とさせるこの塩味は、ストレートやトワイスアップでぜひ味わいたいところ。
もちろん、ハイボールにしてもバランスは崩れないので、さっぱりと飲みたいときにも最適です。
”スモーキー”に初挑戦|初心者にもおすすめしやすい強すぎないピート香
西アイルランドの国立公園を有するカネマラ地方に由来して名付けられ、大地を感じさせるスモーキーなフレーバーが魅力です。
4、6、8年と異なった熟成年数の原酒をブレンドし、複雑味のある香りと味わいに。
ピート香に続き、フレッシュな果実や樽由来のバニラの甘い香りが飲み手の心をくすぐります。
アイリッシュらしい滑らかな口当たりは健在で、ややスパイスの刺激を感じながらもチョコレートのような甘い余韻が愉しめる1本です。
世界に誇る銘酒|ジャパニーズモルトのパイオニアの新境地
本来は、12年や18年といった年数表記のものが基本ラインナップでしたが、あまりの人気に原酒が追い付かなくなる事態に。
そこで新たに加わったのが、こちらのノンエイジ。
年数表記がないからと言って、決して格下というわけではなく、しっかりと山崎のDNAを受継いでいます。
ベースになるのは、イチゴのような甘いニュアンスのあるワインの樽で熟成したモルト。
そこに山崎伝統のミズナラ樽熟成のモルトが加わることで、新しい個性の山崎が生まれました。
イチゴやチェリーのような赤い果実の香りにはじまり、バニラやシナモンといった甘い余韻が続く素晴らしい1本。
やはりストレートかロックで愉しむことをおすすめします。
すっきり&少しスモーキー|新緑を感じさせる爽やかさでモルト初心者にも
「森の蒸留所」とも呼ばれ、広大な森林に囲まれた環境で、自然と共生しながらウイスキー造りを行っています。
新緑のみずみずしい葉や柑橘系のフルーティーな香りに、ほのかなスモーキーさがアクセントに。
爽やかでキレのある味わいで、わずかに感じる酸味が全体の輪郭を整えます。
ロックはもちろんのこと、ハイボールも特におすすめ。
フレッシュさと爽快感を楽しみましょう。
スモーキーで重厚な味わい|厳寒の地で育まれたニッカの代表作
サントリーを離れ、理想のウイスキーを求めてたどり着いたのが、”日本のハイランド”とも呼ばれる北海道の余市でした。
「この地でなければ造れないウイスキー」を掲げ、それを体現したのがこのウイスキーです。
厳寒の地を思わせる重厚なシングルモルトで、地元で採れるピートが力強いスモーキーさを与えています。
樽由来のウッディな香りにバニラが加わり、モルトの甘みが溶け出す魅惑的な味わいです。
しっかりとしたボディなので、どんな飲み方でもバランスが崩れず、好みのスタイルで愉しみましょう。
華やかな香りと味わい|女性的な印象を感じさせるエレガントなウイスキー
次の拠点として竹鶴政孝が目指したのが、宮城県は仙台。
”杜の都”とも呼ばれる仙台の、山形県との県境にほど近い峡谷でした。
(現在は仙台市だが、昔の住所が”宮城町”だったことから宮城峡蒸留所と命名された。)
男性的な余市とは対照的に、スムースで華やかな印象の宮城峡。
リンゴなどのフルーティーな香りが立ち上り、ほのかにピート香を感じながら樽由来のバニラのニュアンスが続きます。
優しい口当たりで、ドライフルーツのような甘さが秀逸で、ロックや水割りがおすすめです。
日本の”アイラ”を目指して|ウイスキー造りの新星が造る風土を表す1本
比較的歴史は浅く、2016年より蒸留を開始。
豊富なピート(泥炭)も採れ、日本の”アイラモルト”を目指し、日々進化を続けています。
日本の二十四節気にちなんだシリーズの第三弾としてリリースされたこちらの芒種(ぼうしゅ)。
芒種とは、稲や麦など穂の出る植物の種を蒔く頃のこと。
スモーキーさを感じながらも、甘いチョコレートやドライフルーツ、ナッツ類の香ばしさが続きます。
塩味がありながらも柑橘類のフルーティーな甘みが舌の上で感じられる上質な味わいです。
生産量も少なく価格が高騰していますが、バーなどで見かけたら、ぜひストレートやトワイスアップで。
【ブレンドの妙を味わう】
ブレンデットウィスキー15選
シングルモルトとは反対に、さまざまな個性の原酒をブレンドして造り上げられるので、複雑味がありながらもまろやかな味わいなので、初心者にもおすすめしやすいタイプです。
また、価格的にもリーズナブルなものが多いので、いろいろとトライしやすいかと思います。
人気・知名度は随一|バランスの取れた味わいで飲み方もオールマイティ
赤や黒のラベルに、ハットを被った紳士のイラストが印象的で、「ジョニ赤」や「ジョニ黒」の愛称で親しまれてきました。
年配の方にとっては高級品の代名詞で、海外旅行のお土産の定番としても有名だった逸品です。
こちらは、ジョニー・ウォーカーのラインナップの基本となるレッドラベルで、ややアルコール感はありますが、とてもバランスのとれた深みのある味わいです。
コショウやシナモンなどのスパイスに、スモーキーさが加わる香り。
フレッシュなリンゴなどの果実味にバニラの甘いニュアンスが心地よく、スコッチウイスキーの醍醐味をカジュアルに楽しめます。
ロックや水割り、ハイボールなど飲み方を選ばないオールマイティな1本と言えるでしょう。
ブレンドの魔術師|香りと味わいの複雑味に酔う
人気の秘密は、何といってもバランタインの「ブレンド技術の高さ」に尽きます。
豊富なストックの中から選び抜いた40種類を超える原酒を巧みにブレンド。
他のメーカーではまねできない香りと味わいを実現しています。
スコッチらしいスモーキーさと、シナモンやバニラを思わせる甘いニュアンスが絶妙なバランスで混じり合い、高い満足感を与えてくれます。
ジョニー・ウォーカーと同様、好みのスタイルで飲むのがベスト。
日本へのオマージュ|ミズナラ樽で仕上げたスコッチの名品
高級食料品店を営んでいたシーバス兄弟が、より上質なウイスキーを求める富裕層に目を付けてウイスキー造りを始めたのが起源です。
そんなシーバスリーガルが、日本のウイスキーファンのために特別に造り上げたのがこちらのアイテム。
世界でも注目を集めるミズナラ樽(日本製)で仕上げた希少な1本です。
オレンジなどの柑橘系のフルーティーな香りに、ナッツ類の香ばしさが加わります。
ハチミツや熟した洋ナシの甘さを感じながら、長い余韻が続く見事なウイスキー。
ストレートやロックで香りと味わいを堪能しましょう。
スコッチでハイボールならこれ!|バーテンダーからも厚い信頼を集める高コスパな1本
日本でもバーテンダーからの高い支持を得ているウイスキーです。
ハイボールでもバランスが崩れず、カジュアルに楽しめる親しみやすい味わい。
洋ナシのようなフルーティーさにフローラルさもあわせ持ち、樽由来のバニラの風味が続きます。
スモーキーさは軽めで、あまりウイスキーを飲み慣れていない方にもおすすめしやすい銘柄です。
特にハイボールにしたときのバランスが秀逸で、食中酒としても楽しめる万能選手と言えます。
手軽にスコッチを|リーズナブルながら万人に愛される味わい
中国から紅茶を輸送する帆船から名付けられたカティサークは、発売以来90年以上にわたって世界中で愛され続けています。
非常にスムースでライトな飲み口で、スモーキーさは控えめ。
フルーツや青みががかったハーブのような香りが清々しく、バニラやチョコレートの甘いニュアンスが心地よく続きます。
ストレートやロック、ハイボールと楽しみ方は多彩で、飲むシーンを選びません。
どれから試そうかと迷っている方や、自宅で気軽に飲みたい方にぴったりのウイスキーです。
滑らかな口当たりが◎|ライトでスムースながら複雑味も
シェア率はなんと70%を超えるとも言われており、人気のほどがうかがえます。
スムースでライトな味わいが特徴のアイリッシュウイスキーですが、こちらのジェムソンも例にもれずとても飲みやすいのが特徴です。
蒸留も3回行っており、雑味のないクリアな味わいで、多くのウイスキーラヴァーから支持を得ています。
ほのかに香るフローラルさに独特なシェリー香がアクセントに。
スパイスやナッツを感じながら、バニラのとろけるような余韻が続きます。
非常にスムースな口当たりなのでストレートはもちろん、水割りやハイボールもスルスルと飲めるので、食中にもおすすめです。
バニラの香りが溢れる|濃厚な味わいながら飲み疲れしない
このジャック・ダニエル、正確には「テネシーウイスキー」と呼ばれますが、製法はほとんどバーボンウイスキーと変わりません。
異なるのは、テネシー州で造られていることと、チャコールメローイング製法を採用していることです。
チャコールメローイング製法とは、蒸留直後の原酒をサトウカエデの炭でろ過すること。
これにより、雑味を取り除いたフルーティーなフレーバーを引き出します。
濃厚なバニラやメープルの風味が広がり、トウモロコシの甘みを感じるのが特徴です。
スパイシーなニュアンスも強く、男性的なウイスキーと言えるでしょう。
ロックやハイボールがおすすめで、バーベキューなど豪快な料理と合わせて楽しみたいウイスキーです。
バーボンを知る1本|パワフルな味わいで飲み手の心を掴む
第34代アメリカ合衆国大統領のアイゼンハワー氏も愛飲していたことでも有名です。
50%を超えるアルコール度数にパワフルなボディで、”ワイルド”の名にふさわしい飲み口は、まさにバーボンのお手本。
カカオやナッツ、ドライフルーツの香りに、バニラの甘みが続きます。
パンチのある印象なので、ロックやハイボールがおすすめです。
穀物の柔らかさを感じる|初心者にも飲みやすい優しいバーボン
創業以来、原料の品質や少量生産にこだわり続け、いまだに1本1本手作業でキャップを封蝋しています。
ほかのバーボンウイスキーと比べると、とてもマイルドな口当たりで、柔らかな甘みが口に広がるのが特徴。
オレンジやハチミツの香りに、穀物のふっくらした甘味が舌の上で感じられます。
45%のアルコール度数を感じさせない滑らかさで、ロックでもスムースに愉しむことができます。
ライトな飲み口でカクテルにも|ウイスキーが苦手な人にぜひ試してほしい1本
発売当初は「クラブ・ウイスキー」という名前でしたが、お隣アメリカでも品期を博します。
気を悪くしたアメリカは、自国とカナダのウイスキーを区別する法律を作ったため、「カナディアンクラブ」へと名称を変更することとなったのです。
ライトですっきりとした飲み心地ながら味わい深く、カクテルのベースにもよく使用されます。
バニラやキャラメルのフレーバーに、少しスパイスのニュアンスも。
とても軽い飲み口なので、ストレートもおすすめですが、ハイボールやカクテルで飲んでも風味を失うことなく味わえます。
ブームの生みの親|ハイボールと言えば!のサントリーの看板商品
それまでのウイスキーに対するイメージを払拭し、カジュアルに楽しめる新しいスタイルを定着させました。
角瓶の歴史は古く、誕生から70年を数えます。
スタンダードなラインながら、現在は山崎と白州のバーボン樽で熟成させた原酒をバランスよく贅沢にブレンド。
バーボンらしい甘いニュアンスが感じられますが、ドライな仕上がりなのですっきりとした後味です。
あれこれ考えずに、ハイボールで楽しむのが王道でしょう。
ブレンデットの傑作|多彩な原酒の個性が”響き合う”日本の銘酒
「人と自然と響き合う」という企業理念のもと、日本人の持つ感性や技術力、そして日本の四季を反映したウイスキーとして世に出ました。
熟成年数にこだわらずに、サントリーが培ってきた多彩な原酒を厳選してブレンド。
非常に複雑で華やかな香りが広がり、円熟味のある柔らかな味わいです。
また、響ブランドの象徴である、日本の二十四節気を表した24面カットの美しいボトルデザインも素晴らしく、ギフトで贈るのにも最適です。
グレーンの魅力を再認識|和食に寄り添う柔らかなジャパニーズウイスキー
愛知県は知多半島に位置し、響をはじめとしたサントリーのブレンデットを支えるグレーンウイスキーを主に生産しています。
さまざまなグレーンウイスキーの原酒をブレンドして造られた知多は、ほのかに香る甘いニュアンスに、クリーンで軽やかな味わいが特徴。
スムースな口当たり口当たりで、和食のお供にぴったり。
ぜひ、水割りやハイボールでお楽しみください。
飲みやすさNo. 1|クリア&スムースな味わいでウイスキー初心者に最適
ニッカウヰスキーの定番商品として、長くブランドを牽引してきました。
ノンピート(ピート不使用)でクセのないクリアでマイルドな味わいが最大の魅力。
アルコール度数も37%と低く、ウイスキーにあまり慣れていない方でも飲みやすいタイプと言えるでしょう。
コストパフォーマンスも素晴らしく、ハイボール好きなら自宅に常備しておきたくなる1本です。
ピュアモルトの極み|ふたつの蒸留所の個性が溶け合う芸術品
海にほど近く厳しい環境で育った余市のモルトと、山々に囲まれこれ以上ない水質から生まれた宮城峡のモルト。
海と山の自然が織りなすハーモニーのように、ふたつのモルトの個性をうまく調和させています。
甘酸っぱいリンゴなどの果実の香りに、樽から来るバニラや香ばしさが寄り添います。
強すぎないピート香にビターチョコレートの甘い余韻が感じられる素晴らしいウイスキーです。
まずはストレートで本来の香りと味わいを、そして徐々に加水してウイスキーのさまざまな表情を感じてみてください。
あとがき
ウイスキーの基本や少し踏み込んだ知識にも触れながら、選び上でのポイントや飲み方、そしておすすめの30本までを見てまいりました。
さまざまなな種類があり、香りや味わいも千差万別なのがウイスキーの魅力。
この記事で触れた知識や銘柄を知っていれば、百貨店やオンラインショップでスムーズに購入できるようになりますし、バーなどでも”紳士”のようにスマートに振舞えますよ。
みなさんの生活の中で、ぜひお役立ていただければと思います。